株式会社BPX

教える男性の画像
矢印
教える男性の画像
矢印

リスティング広告のターゲティング全種類を網羅!成果を最大化する設定方法をプロが解説

2025.10.20

リスティング広告のターゲティング全種類を網羅!成果を最大化する設定方法をプロが解説

リスティング広告の成果が伸び悩む原因は、ターゲティング設定にあるかもしれません。本記事では、Google広告などで利用できるターゲティングの全種類を、具体的な設定方法とともに網羅的に解説します。この記事を読めば、自社の目的に合った最適な手法が見つかり広告の費用対効果を高める実践的なコツがわかります。成果を出す鍵はペルソナを明確にし、複数のターゲティングを効果的に組み合わせ除外設定を使いこなすことです。

リスティング広告におけるターゲティングの基礎知識

リスティング広告の成果を最大化するためには、「ターゲティング」の理解が不可欠です。広告はただ配信するだけでは意味がなく、適切なユーザーに届けて初めてその価値を発揮します。この章では、リスティング広告運用の土台となるターゲティングの基本的な考え方と、その重要性について詳しく解説します。

ターゲティングとは広告を届けたいユーザーを絞り込むこと

リスティング広告におけるターゲティングとは、自社の製品やサービスを届けたいユーザー層、つまり「誰に」広告を見せるかを具体的に絞り込むための設定や手法のことです。 ユーザーの年齢・性別といった属性情報から、興味関心、検索行動、Webサイトの閲覧履歴など、様々なデータに基づいて配信対象を定めることができます。

例えば、「東京都内で20代女性向けのファッションアイテム」を販売している場合、ターゲットを絞らずに広告を配信すると、北海道に住む60代の男性にも広告が表示されてしまう可能性があります。これでは、広告費が無駄になってしまう可能性が非常に高いでしょう。

そこでターゲティング設定を活用し、「地域:東京都」「年齢:20~29歳」「性別:女性」「興味関心:ファッション」といった条件でユーザーを絞り込むことで、商品を購入してくれる可能性が高い見込み顧客に集中的にアプローチできるようになります。

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される「検索広告」が主体ですが、このキーワード選定自体が非常に強力なターゲティング手法と言えます。 なぜなら、ユーザーが自ら入力するキーワードには、その瞬間のニーズや意図が明確に表れているからです。本記事で解説するターゲティングは、このキーワード選定に加えて、さらにユーザーの特性で絞り込むことで、広告効果を飛躍的に高めるための重要な設定となります。

なぜリスティング広告でターゲティング設定が重要なのか

ターゲティング設定は、広告運用の成否を分ける極めて重要な要素です。なぜなら、ターゲティングを最適化することで、広告運用における3つの重要な指標を大きく改善できるからです。

メリット概要
1. 広告費用の最適化商品やサービスへの関心が低いユーザーへの配信を抑制し、無駄な広告費の発生を防ぐことで、費用対効果(ROAS)を高めることができます。
2. コンバージョン率(CVR)の向上購買意欲の高いユーザー層に絞って広告を配信することで、広告クリック後の商品購入や問い合わせといった成果(コンバージョン)に至る確率が高まります。
3. 広告メッセージの最適化ターゲット層を具体的に定めることで、その層に響くような広告文や画像を作成でき、クリック率(CTR)の向上やブランドイメージの構築に繋がります。

具体的に見ていきましょう。まず、広告費用の最適化についてです。リスティング広告の多くは、広告がクリックされるたびに費用が発生する「クリック課金制」です。 ターゲティングが曖昧なままだと、自社のターゲットとは異なるユーザーからのクリックが増え、コンバージョンに繋がらない無駄なコストが増大してしまいます。 適切にターゲティングを行うことで、予算を見込み顧客に集中投下でき、より効率的な広告運用が実現します。

次に、コンバージョン率(CVR)の向上です。ニーズが明確なユーザーに広告を配信できるため、当然ながら成果に結びつきやすくなります。 例えば、「特定のサイトを一度訪れたユーザー(リマーケティング)」や「既存顧客と似た行動をとるユーザー(類似オーディエンス)」に再度アプローチすることで、初回接触のユーザーよりも高いコンバージョン率が期待できます。

最後に、広告メッセージの最適化です。ターゲットユーザーのペルソナ(具体的な人物像)を明確にすることで、「誰に、何を伝えるべきか」がシャープになります。 例えば、若年層向けにはトレンドを意識した言葉遣いやビジュアルを、ビジネスパーソン向けには機能性や実績を訴求するなど、ターゲットに合わせたメッセージを届けることで、広告への共感や関心を高めることができるのです。

このように、ターゲティングは単なる「絞り込み機能」ではなく、広告予算の有効活用、そして事業成果の最大化を実現するための戦略的な一手と言えるのです。

【一覧】リスティング広告で設定できるターゲティングの種類

リスティング広告のターゲティングは、広告の成果を左右する極めて重要な設定です。ターゲティングを大きく分けると、「誰に広告を届けたいか」を指定するオーディエンスターゲティングと、「どこに広告を掲載したいか」を指定するコンテンツターゲティングの2種類に分類できます。 これらに加えて、地域や時間帯といった基本的な設定項目も存在します。それぞれの種類を理解し、自社の商材やサービスに合わせて適切に使い分けることが、広告効果を最大化する鍵となります。

「人」で絞り込むオーディエンスターゲティング

オーディエンスターゲティングは、ユーザーの属性、興味関心、行動履歴といった「人」に関する情報に基づいて広告の配信対象を絞り込む手法です。 これにより、商品やサービスに対して関心を持つ可能性が高い、いわゆる「見込み顧客」へ的確にアプローチできます。Google広告やYahoo!広告では、多種多様なオーディエンスセグメントが用意されています。

ターゲティングの種類概要
デモグラフィックターゲティング年齢、性別、子供の有無、世帯年収といったユーザーの基本的な属性情報に基づいてターゲティングします。
アフィニティカテゴリユーザーが長期的に関心を持っている事柄やライフスタイル(例:旅行好き、料理好きなど)に基づいてターゲティングします。
購買意向の強いオーディエンス特定の商品やサービスの購入を積極的に検討しているユーザー層に絞って広告を配信します。 Googleが収集したデータに基づき、コンバージョンに至る可能性が高いと判断されたユーザーが対象となります。
カスタムオーディエンス特定のキーワード、URL、アプリなどを指定し、自社独自のオーディエンスリストを作成してターゲティングします。 これにより、よりニッチで関連性の高いユーザー層にアプローチが可能です。
リマーケティング過去に自社のWebサイトを訪問したことがあるユーザーや、アプリを使用したことがあるユーザーに対して再度広告を配信する手法です。 Yahoo!広告では「サイトリターゲティング」と呼ばれます。
類似オーディエンス既存の顧客やサイト訪問者(リマーケティングリスト)と行動履歴が似ているユーザーを新たに見つけ出し、広告を配信します。 これにより、新規顧客の獲得拡大が期待できます。

「配信面」で絞り込むコンテンツターゲティング

コンテンツターゲティングは、広告を掲載するWebサイトやYouTubeチャンネル、アプリといった「配信面」を指定するターゲティング手法です。 ユーザーが閲覧しているコンテンツの内容に基づいて広告を表示させることで、関連性の高いユーザーへのアプローチを図ります。詳細はGoogle 広告 ヘルプで確認できます。

ターゲティングの種類概要
プレースメント広告を配信したい特定のWebサイト、YouTubeチャンネル、アプリなどを個別に指定します。 ブランドイメージに合った配信面に限定したい場合や、特定のメディアのユーザー層にリーチしたい場合に有効です。
トピック「スポーツ」「金融」など、特定のトピックに関連する複数のWebページや動画にまとめて広告を配信します。 GoogleがWeb上のコンテンツをカテゴリ分けしており、その中から配信したいトピックを選択します。
コンテンツターゲット(キーワード)設定したキーワードと関連性の高い内容のWebページや動画に広告を配信します。 ユーザーの検索行動ではなく、閲覧しているコンテンツの内容に基づいて広告が表示される点が特徴です。

その他の基本的なターゲティング

上記のオーディエンス、コンテンツターゲティングに加えて、すべての広告キャンペーンで基本となるターゲティング設定があります。これらを組み合わせることで、より広告配信の精度を高めることが可能です。

ターゲティングの種類概要
地域(ジオターゲティング)国、都道府県、市区町村単位で広告を配信する地域や、除外する地域を指定できます。 店舗ビジネスなど、商圏が限定される場合に必須の設定です。
曜日・時間帯広告を配信する曜日や時間帯を1時間単位で設定できます。 ユーザーがアクティブになる時間帯や、問い合わせ対応が可能な時間帯に絞って配信することで、効率を高めます。
デバイスパソコン、スマートフォン、タブレットなど、広告を配信するデバイスを指定します。 商材やターゲットユーザーの特性に合わせて、デバイスごとに入札価格を調整することも有効です。

オーディエンスターゲティングの種類と設定方法

オーディエンスターゲティングとは、広告を配信するユーザー、つまり「誰に」届けるかを絞り込むためのターゲティング手法です。ユーザーの属性やWeb上での行動履歴、興味関心といったデータに基づいてセグメントを作成し、そのセグメントに対して広告を配信します。適切なオーディエンスに広告を届けることで、広告効果の最大化が期待できます。

ここでは、代表的なオーディエンスターゲティングの種類とその設定方法について、Google広告やYahoo!広告の機能を基に解説します。

ユーザーの属性情報で絞るデモグラフィックターゲティング

デモグラフィックターゲティングは、ユーザーの年齢、性別、子供の有無、世帯年収といった客観的な属性データに基づいて広告の配信対象を絞り込む、最も基本的なターゲティング手法です。 商材やサービスのターゲット層が明確な場合に特に有効で、無駄な広告表示を減らし、費用対効果を高めることができます。

年齢や性別

年齢や性別は、多くのBtoC商材で重要なターゲティング軸となります。例えば、20代女性向けの化粧品であれば、ターゲットを「年齢:18~24歳、25~34歳」「性別:女性」に絞り込むことで、関心の高いユーザーへ集中的にアプローチできます。Google広告やYahoo!広告の管理画面から、キャンペーンまたは広告グループ単位で簡単に設定が可能です。

世帯年収

世帯年収によるターゲティングは、Google広告で利用可能な機能です。 ユーザーの所在地における平均世帯年収データなどに基づき、「上位10%」「11~20%」といった形で所得層を推定し、ターゲティングを行います。不動産や自動車、高級ブランド品といった高価格帯の商材や、富裕層向けのサービスなどで活用することで、購買力のあるユーザー層へ効率的に広告を配信できます。

ユーザーの興味や関心で絞るターゲティング

ユーザーがWebサイトの閲覧や検索といったオンライン上の行動を通じて示す、興味や関心、購買意欲に基づいてターゲティングする手法です。 まだ自社の商品やサービスを知らない潜在層から、購入を具体的に検討している顕在層まで、幅広いユーザーにアプローチできるのが特徴です。

ターゲティング種類ターゲット層特徴主な活用シーン
アフィニティカテゴリ潜在層ライフスタイルや趣味など、長期的な興味関心を持つユーザーに広くアプローチする。ブランドの認知度向上、大規模なキャンペーンの告知
購買意向の強いオーディエンス準顕在層~顕在層特定の商品やサービスの購入を積極的に検討しているユーザーに絞ってアプローチする。見込み顧客の獲得、コンバージョン数の最大化
カスタムオーディエンス潜在層~顕在層キーワードやURL、アプリなどを指定し、独自のオーディエンスを作成してアプローチする。ニッチな市場へのアプローチ、競合ユーザーへのアプローチ
アフィニティカテゴリ

アフィニティカテゴリは、ユーザーの長期的な興味や関心、ライフスタイルに基づいてターゲティングする手法です。 Googleが定義した「スポーツ、フィットネス」「旅行好き」「テクノロジー好き」といった幅広いカテゴリから選択し、関連性の高いユーザー層に広告を配信します。 ブランドの認知度向上や、新しい顧客層へのアプローチを目指す際に非常に有効です。

購買意向の強いオーディエンス

「インマーケットオーディエンス」とも呼ばれ、特定の商品やサービスについて積極的に情報を収集し、購入を検討している可能性が高いユーザー層にアプローチするターゲティングです。 例えば、「自動車」「不動産」「アパレル・アクセサリ」などのカテゴリがあり、コンバージョンに至る可能性が高いユーザーに直接広告を届けられるため、費用対効果の向上が期待できます。

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンス(カスタムセグメント)は、広告主が独自にオーディエンスを定義できる、非常に柔軟性の高いターゲティング手法です。 特定のキーワードを検索したユーザーや、特定のURL(競合他社のサイトなど)にアクセスしたユーザー、特定のアプリを使用したユーザーといった条件で、自社の商材に最適なオーディエンスを作成できます。 ニッチな商材を扱う場合や、特定のニーズを持つユーザーに的を絞ってアプローチしたい場合に絶大な効果を発揮します。

サイト訪問者に再アプローチするリマーケティング

リマーケティング(Yahoo!広告では「サイトリターゲティング」)とは、過去に自社のWebサイトを訪問したことがあるユーザーに対して、再度広告を配信する手法です。 一度サイトを訪れたユーザーは、商品やサービスに少なからず興味を持っているため、購入や申し込みを迷っているユーザーの背中を押し、コンバージョンへと導く上で最も重要なターゲティングの一つです。 「商品をカートに追加したが購入しなかったユーザー」や「特定のページを閲覧したユーザー」など、サイト内での行動に応じてリストを分け、それぞれに最適化されたメッセージを配信することで、さらに効果を高めることができます。設定には、サイトへのタグの設置が必要です。

既存顧客に似たユーザーへ配信する類似オーディエンス

類似オーディエンス(Yahoo!広告では「類似ユーザー」)は、既存のオーディエンスリスト(コンバージョンユーザーのリストやリマーケティングリストなど)に含まれるユーザーと、Web上での行動パターンが似ている新規ユーザーをAIが見つけ出し、広告を配信するターゲティング手法です。 すでに成果につながっている優良顧客と似た傾向を持つユーザーにアプローチできるため、効率的に新規顧客を開拓し、ビジネスを拡大する上で非常に強力な武器となります。 元となるリストの質と量が精度を左右するため、まずは質の高い顧客データを十分に蓄積することが重要です。詳細については、Google 広告 ヘルプやYahoo!広告 ヘルプをご参照ください。

コンテンツターゲティングの種類と設定方法

リスティング広告のターゲティングは、「誰に」広告を見せるかを決めるオーディエンスターゲティングと、「どこに」広告を出すかを決めるコンテンツターゲティングに大別されます。ここでは、後者のコンテンツターゲティングについて、その種類と具体的な設定方法を詳しく解説します。コンテンツターゲティングとは、特定のウェブサイトやアプリ、動画といった「広告の配信面」そのものや、配信面の「内容(コンテンツ)」を指定して広告を配信する手法です。 ユーザーの興味関心や行動履歴を追うのではなく、ユーザーがその瞬間に見ているコンテンツの文脈に合わせて広告を表示できるため、関連性の高いユーザーに効果的にアプローチできます。

主なコンテンツターゲティングには以下の3つの種類があります。それぞれの特徴を理解し、広告の目的に合わせて使い分けることが重要です。

ターゲティング手法概要主な利用シーン
プレースメントターゲティング広告を配信したいWebサイト、YouTubeチャンネル、アプリなどをURL単位で具体的に指定する。親和性の高い特定のメディアや、競合サイトへの配信でユーザーにアプローチしたい場合。
トピックターゲティングGoogleやYahoo!が用意したカテゴリ(トピック)を選択し、そのトピックに関連する配信面に広告を配信する。特定のジャンルに興味がある幅広い潜在層にアプローチしたい場合。
コンテンツターゲット(キーワード)設定したキーワードと関連性の高い内容のWebページや動画に広告を配信する。ユーザーが特定の情報を閲覧している瞬間に、関連広告を表示させたい場合。

特定のWebサイトやYouTubeチャンネルに配信するプレースメント

プレースメントターゲティングは、広告を配信したいWebサイトのURLやYouTubeチャンネル、モバイルアプリなどを個別に指定できる、最も直接的な配信面の指定方法です。 例えば、自社の製品レビューがよく掲載される特定のガジェット系情報サイトや、ターゲット層に人気のYouTuberのチャンネルを指定して、集中的に広告を配信することが可能です。

この手法の最大のメリットは、広告の掲載場所を完全にコントロールできる点にあります。 ブランドイメージに合致した優良なサイトだけに広告を掲載することでブランドセーフティを確保したり、過去にコンバージョン実績の高いサイトに広告予算を集中させたりと、戦略的で無駄のない広告運用が実現できます。

設定は、Google広告やYahoo!広告の管理画面から行います。 対象の広告グループを選択し、「コンテンツ」内の「プレースメント」編集画面で、配信したいサイトのURLやYouTubeチャンネル名、アプリ名などを検索・追加します。 ただし、配信先を絞り込みすぎると表示回数が伸び悩む可能性があるため、ある程度の配信ボリュームが見込める複数のプレースメントをリストアップしておくことが成功の鍵となります。

特定のトピックに関連するWebサイトに配信するトピック

トピックターゲティングは、Google広告やYahoo!広告が予め定義している「金融」「スポーツ」「旅行」といった膨大なトピック(カテゴリ)の中から、自社の商材と関連性の高いものを選択し、そのトピックに分類されるWebサイトや動画などに広告を配信する手法です。 例えば、化粧品を販売している企業であれば、「美容・フィットネス」といったトピックを選択することで、美容に関心のあるユーザーが閲覧している可能性の高い様々なサイトへ効率的に広告を届けることができます。

プレースメントターゲティングが「点」で配信面を指定するのに対し、トピックターゲティングは「面」で配信面を捉えるイメージです。一つ一つのサイトを指定する必要がないため設定が簡単な上、自社では把握しきれていなかった関連サイトにも広告が配信されるため、新しい見込み顧客層へアプローチできるという大きなメリットがあります。

設定方法は、広告管理画面の「コンテンツ」から「トピック」を選択し、表示されるカテゴリ一覧から配信したいトピックを追加するだけです。カテゴリは階層構造になっているため、より詳細なサブトピックを選択することで、ターゲティングの精度を高めることも可能です。 成果を見ながら、より反応の良いトピックに絞り込んだり、逆に配信を広げたりといった調整を行いましょう。

キーワードに関連するコンテンツに配信するコンテンツターゲット

コンテンツターゲット(Google広告での呼称。Yahoo!広告では「コンテンツキーワードターゲティング」)は、指定したキーワードと関連性の高い内容を持つWebページやアプリ、動画に広告を配信するターゲティング手法です。 これは検索広告のキーワードとは異なり、ユーザーが検索する語句ではなく、あくまで配信先の「コンテンツ内容」を判断するために使用されます。

例えば、「プログラミングスクール」の広告を配信する場合、「Python 学習方法」や「JavaScript 初心者」といったキーワードを設定しておくと、これらのテーマについて書かれたブログ記事やニュースサイトをユーザーが閲覧しているタイミングを狙って広告を表示できます。 ユーザーがまさにその情報に能動的に触れている瞬間に広告を提示できるため、非常に高いクリック率やコンバージョン率が期待できるのが最大の強みです。

設定は、広告管理画面の「コンテンツ」から「ディスプレイ/動画のキーワード」を選択し、広告グループごとに関連性の高いキーワードを入力します。 キーワードの選定が成果を大きく左右するため、ユーザーがどのような情報を求めているかを深く理解し、具体的なキーワードを複数設定することが重要です。また、意図しない配信面を除外するために、除外キーワードの設定も併せて活用しましょう。より詳細な情報については、Google 広告のヘルプページやYahoo!広告ヘルプで確認できます。

成果を最大化するリスティング広告ターゲティングのコツ

リスティング広告の成果は、ターゲティング設定の精度に大きく左右されます。多種多様なターゲティング手法をただ設定するだけでは、期待する効果は得られません。ここでは、広告の費用対効果(ROAS)を最大化し、ビジネスの成長を加速させるための戦略的なターゲティングのコツを3つの視点から詳しく解説します。

広告配信の目的とペルソナを明確にする

効果的なターゲティング戦略の第一歩は、「何のために」「誰に」広告を届けたいのかを徹底的に明確化することです。この軸がぶれてしまうと、どのような優れたターゲティング手法もその効果を十分に発揮できません。

広告キャンペーンの目的を定義する

まずは、広告キャンペーンを通じて達成したいビジネス上のゴールを具体的に定めます。目的によって、選択すべきターゲティング手法や評価すべき指標(KPI)が大きく異なるためです。

広告の目的目的の詳細有効なターゲティング手法の例主要な評価指標(KPI)
認知拡大商品やサービスの存在をより多くの潜在顧客に知ってもらう。デモグラフィックターゲティング、アフィニティカテゴリ表示回数、リーチ数、動画視聴回数
比較・検討の促進自社の商品やサービスを競合と比較検討している見込み顧客に、優位性をアピールする。購買意向の強いオーディエンス、カスタムオーディエンス(競合サイトURL指定)クリック率(CTR)、サイト滞在時間
コンバージョン獲得商品購入、問い合わせ、資料請求など、具体的なアクションを促す。リマーケティング、類似オーディエンス、購買意向の強いオーディエンスコンバージョン数、コンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)
ターゲットとなるペルソナを設定する

次に、理想的な顧客像である「ペルソナ」を具体的に設定します。 ペルソナを詳細に描くことで、ターゲットユーザーの解像度が上がり、より的確なターゲティングが可能になります。 Google広告では、これらのペルソナに近い属性を組み合わせて「統合セグメント」としてターゲティングすることも可能です。

【ペルソナ設定の項目例】

  • 基本情報:年齢、性別、居住地、職業、年収、家族構成
  • ライフスタイル:趣味、休日の過ごし方、価値観
  • 情報収集の方法:よく見るWebサイト、利用するSNS、情報収集の時間帯
  • ニーズ・課題:どのような課題を抱えているか、何を解決したいのか
  • サービスへの期待:自社の商品やサービスに何を求めているか

これらのペルソナ像が明確になることで、「どのオーディエンスカテゴリを選択すべきか」「どのWebサイトに広告を出すべきか」といった判断が格段にしやすくなります。

複数のターゲティングを効果的に組み合わせる

単一のターゲティング手法だけでは、リーチが広すぎたり、逆に狭すぎて機会損失を招いたりすることがあります。「人(オーディエンス)」と「配信面(コンテンツ)」のターゲティングを掛け合わせることで、より精度の高い広告配信を実現できます。

「絞り込み」と「モニタリング」を使い分ける

Google広告のオーディエンス設定には、「絞り込み(ターゲティング)」と「モニタリング(観察)」の2種類があります。 この2つを戦略的に使い分けることが重要です。

  • 絞り込み(ターゲティング):設定した条件に合致するユーザー「のみ」に広告を配信します。コンバージョンが見込める確度の高い層に予算を集中させたい場合に有効です。
  • モニタリング(観察):配信対象は絞り込まず、設定したオーディエンスの配信結果をデータとして収集します。 どのようなユーザー層の成果が良いかを分析し、将来のターゲティング戦略に活かすことができます。
効果的なターゲティングの組み合わせ具体例

以下に、具体的な組み合わせの例を挙げます。

目的オーディエンスターゲティングコンテンツターゲティング期待される効果
BtoC:高価格帯のエイジングケア化粧品デモグラフィック(40代~50代・女性)× 購買意向の強いオーディエンス(スキンケア・化粧品)プレースメント(大手美容メディアサイト)購買意欲が高く、かつ美容に関心のある特定の年齢層に絞って、信頼性の高いメディアで訴求できる。
BtoB:中小企業向け会計ソフトカスタムオーディエンス(競合ソフト名で検索するユーザー)× 類似オーディエンス(既存顧客リストが元)トピック(会計、税務)競合を検討している層や、既存顧客と似た傾向を持つ潜在顧客に対し、関連性の高い情報サイトでアプローチできる。
ECサイト:特定ブランドのスニーカーリマーケティング(サイト訪問者 or カート放棄者)コンテンツターゲット(「スニーカー コーデ」「新作スニーカー」などのキーワード)商品に関心を示したユーザーが関連コンテンツを閲覧しているタイミングで、再度広告を表示し購入を後押しする。

除外設定を活用して無駄なクリックを防ぐ

広告の費用対効果を高めるには、コンバージョンが見込めるユーザーに広告を届ける「攻め」のターゲティングと同時に、見込みのないユーザーや不適切な配信面への広告表示を防ぐ「守り」の除外設定が極めて重要です。 無駄な広告費を削減し、予算をより効果的な配信に集中させることができます。

オーディエンスの除外

特定のユーザーセグメントを広告配信の対象から除外します。

  • コンバージョン済みのユーザー:商品購入や問い合わせが完了したユーザーを除外します。(アップセルやクロスセルを狙う場合は除く)
  • 自社関係者:自社のIPアドレスなどを除外し、関係者による不要なクリックを防ぎます。
  • 特定の興味関心を持つユーザー:明らかにターゲットではないと判断できる興味関心カテゴリのユーザーを除外します。

コンテンツの除外

広告を掲載したくないWebサイトやコンテンツを指定して除外します。

  • プレースメントの除外:ブランドイメージに合わないサイト、関連性の低いサイト、広告が乱立しているサイト、ポイントサイトなどを個別に指定して除外します。
  • トピックの除外:自社のサービスと関連性の低いトピックや、「事件・事故」などのネガティブな印象を与える可能性のあるトピックカテゴリを除外します。
  • 除外キーワード(検索広告):検索広告では、コンバージョンにつながらない検索語句を除外キーワードとして設定することが基本です。 例えば、「無料」「中古」「修理」といった単語を除外することで、購入意欲の低いユーザーからのクリックを避けられます。

これらの除外設定は、一度設定して終わりではなく、定期的に配信レポートを確認し、成果の低いプレースメントや意図しない検索語句などを継続的に追加していくことが、広告運用の最適化につながります。

まとめ

本記事では、リスティング広告の成果を最大化するためのターゲティング全種類と設定のコツを解説しました。適切なターゲティング設定は、広告を届けたいユーザーに絞り込み、無駄な広告費を削減して費用対効果を高めるために不可欠です。ユーザーの属性や興味関心で絞るオーディエンスターゲティングや、配信面を選ぶコンテンツターゲティングなどを目的やペルソナに合わせて組み合わせ、除外設定も活用することが成果向上の鍵となります。ぜひ本記事を参考に、自社の広告設定を見直してみてください。

BPXでは総合マーケティング会社として広告運用やASP業務フォロー、情報補完はもちろん、web制作などお客様のパートナーとしてサービスを提供しています。気になった方はぜひお問い合わせください。

都留 樹生

このブログの監修者

都留 樹生

学生時代の友人である社長に拾われ創業時にFREEDiVEにジョイン。 成功報酬(アフィリエイト)領域の広告に対する知見と戦略設計で、200社以上の運用実績を持ち、BPXを売上0から7億円の企業に。 個人でも8年間PPC系のアフィリエイターとして活動している。

私たちは幅広くチャレンジできる人材を
お待ちしています

エントリーする