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ブランディングとは?マーケティングとの違いや企業価値を高める方法

2026.01.23

ブランディングとは?マーケティングとの違いや企業価値を高める方法

「ブランディングとは具体的に何をすることなのか」「マーケティングとどう違うのか」と疑問をお持ちではないでしょうか。この記事では、ブランディングの正しい定義やメリット、成功するための具体的な手順までを網羅的に解説します。

結論として、ブランディングとは単なるロゴ作成や知名度アップではなく、顧客と企業の間で「共通の価値イメージ」を築き、価格競争を脱して「選ばれ続ける存在」になるための重要な経営戦略です。本記事を読むことで、集客や採用活動、社員のモチベーション向上にも繋がる、本質的なブランド構築の全体像を理解できます。

ブランディングとは何か基本的な意味を解説

ビジネスシーンにおいて頻繁に使われる「ブランディング」という言葉ですが、その本質を一言で表すと、企業が顧客に対して「自社の商品やサービスは他とは違う」という独自の価値を認識させ、共感や信頼を築き上げる活動のことを指します。

単にロゴマークを作ったり、高級なパッケージデザインにしたりすることだけがブランディングではありません。商品、接客、広告、店舗の雰囲気など、あらゆる顧客接点を通じて「その企業らしさ」を一貫して伝え、顧客の頭の中にポジティブなイメージを定着させるプロセス全体がブランディングに該当します。

ブランディングの定義とブランドの語源

ブランディングを正しく理解するためには、まずその核となる「ブランド(Brand)」という言葉の成り立ちを知る必要があります。ブランドの語源は、古ノルド語(ノルウェーなどの北欧諸語の古語)で「焼き印を押す」を意味する「Brandr(ブランドル)」にあると言われています。

かつて放牧している家畜が誰のものか判別するために、所有者が焼き印を押して区別していたことが始まりです。このことから、ブランドの原始的な役割は他者のものと自分のものを明確に区別する「識別」にあると定義できます。

現代のビジネスにおいても、この「識別」と「差別化」はブランディングの根幹です。しかし、現代におけるブランドの定義は単なる識別記号にとどまりません。アメリカ・マーケティング協会(AMA)などの定義を踏まえると、ブランドとは以下のような要素を含む複合的な資産であると言えます。

  • 名称、用語、記号、シンボル、デザイン(識別要素)
  • 顧客がその商品・サービスに対して抱く「信頼」や「期待」
  • 機能的価値を超えた「感情的価値」や「体験」

つまり、現代におけるブランディングとは、競合他社との違いを明確にし、顧客にとっての「選ぶ理由」を作り出すための意図的な活動全般と定義づけることができます。

ブランドとブランディングの違い

「ブランド」と「ブランディング」は混同されがちですが、明確な違いがあります。簡潔に言えば、ブランドは「結果として顧客の頭の中にできるイメージ(名詞)」であり、ブランディングは「そのイメージを構築するための活動(動詞)」です。

企業側が「私たちは高級ブランドです」と主張しても、顧客がそう認識しなければブランドとして成立していません。顧客との約束を守り続け、信頼を積み重ねた結果として形成される「資産」がブランドであり、そこに至るまでの戦略や行動がブランディングです。

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

項目ブランド(Brand)ブランディング(Branding)
品詞・性質名詞(結果・状態・資産)動詞の現在進行系(活動・プロセス・手段)
所在顧客や消費者の頭の中(心象)企業の活動や戦略の中
役割識別されるための「証」や「約束」価値を伝え、浸透させるための「行動」
具体例「安心感」「高級感」「ロゴ」「商品そのもの」「広告宣伝」「接客マナーの統一」「Webサイト制作」「理念の策定」

例えば、スターバックスを見たときに多くの人が想起する「洗練された空間」「フレンドリーな接客」「緑色のロゴ」といったイメージそのものが「ブランド」です。一方で、そのようなイメージを持ってもらうために、店舗の内装を統一したり、スタッフへの教育を徹底したり、カップのデザインを工夫したりする活動そのものが「ブランディング」にあたります。

ブランディングは一度行えば終わりではなく、時代の変化や顧客のニーズに合わせて継続的に行う必要がある「経営戦略そのもの」であると理解することが重要です。

ブランディングとマーケティングの違い

ビジネスの現場において、「ブランディング」と「マーケティング」は頻繁に混同されがちな言葉です。しかし、この2つは目的やアプローチの方法において明確な違いがあります。簡潔に表現するならば、マーケティングは「売れる仕組みを作ること」であり、ブランディングは「選ばれ続ける理由を作ること」と言えます。

どちらか一方が優れているというわけではなく、両者は車の両輪のように密接に関わり合っています。企業活動を成功させるためには、それぞれの違いを正しく理解し、適切なタイミングで使い分ける、あるいは組み合わせることが重要です。

目的と役割における相違点

マーケティングとブランディングの最大の違いは、その「目的」と「ゴール」にあります。マーケティングは市場や顧客のニーズを分析し、商品やサービスをどのように届けるかという「販売」に焦点を当てます。一方で、ブランディングは企業や商品そのものの価値を高め、顧客にとって唯一無二の存在になるための「信頼構築」に焦点を当てます。

両者の違いを整理すると、以下のようになります。

比較項目マーケティングブランディング
主な目的売れる仕組みを作り、売上を拡大するブランド価値を高め、ファンを作る
視点顧客視点(市場が何を求めているか)企業視点(自分たちが何者であるか)
時間軸短期的~中期的成果中期的~長期的資産
アクション「買ってください」とアピールする(PUSH型)「あなたから買いたい」と思わせる(PULL型)
ゴール成約・購入(コンバージョン)ロイヤリティ(愛着・信頼)の獲得

この違いは、しばしば恋愛に例えて説明されます。マーケティングが「私はこんなに素敵で、お金持ちで、優しいです」と相手にアピールしてデートに誘う行為だとすれば、ブランディングは日頃の振る舞いや性格によって、相手から「あなたのことが好きです、付き合ってください」と言われる状態を作ることに似ています。

つまり、マーケティング施策によって一時的に売上が上がったとしても、ブランディングが確立されていなければ、競合他社がより安い価格や優れた機能を出した瞬間に顧客は離れてしまいます。逆に、強力なブランディングがあれば、価格競争に巻き込まれることなく、指名買いされ続ける状態を実現できるのです。

広告やPR活動との関係性

マーケティング活動の中には、広告出稿やPR(パブリック・リレーションズ)、販促キャンペーンなどが含まれます。これらは顧客との接点を作るための具体的な手段ですが、ブランディングとの関係性においては「手段」と「土台」の関係にあります。

ブランディングは、すべてのマーケティング活動の「土台」となるものです。「誰に」「どのような価値を」「どのような世界観で」伝えるかというブランドの核(ブランド・アイデンティティ)が定まっていなければ、広告やPRのメッセージはブレてしまい、顧客に響きません。

例えば、高級感を売りにしたいブランドが、マーケティングの一環として安売りチラシのような広告を打ってしまえば、ブランドイメージは毀損されます。ブランディングによって定められた世界観やルールの中で、効果的なマーケティング施策を展開することが、最も成果を出す近道です。

また、近年ではSNSの普及により、企業側からの発信だけでなく、顧客による口コミや評判がブランドイメージを左右するようになりました。広告費をかけて認知を広げるマーケティングだけでなく、顧客体験を向上させ、自然と良い評判が広がるようなブランディング活動の重要性がこれまで以上に増しています。

企業がブランディングを行う目的とメリット

企業がブランディングに取り組む本来の目的は、単に知名度を上げることやロゴをおしゃれにすることではありません。本質的な目的は、顧客やステークホルダーに対して自社独自の価値を明確に伝え、競合他社との差別化を図り、長期的な経営安定と成長を実現することにあります。

ブランディングに成功することで、企業は「選ばれる存在」となり、マーケティング活動の効率化や組織力の強化など、多岐にわたるメリットを享受できます。ここでは、企業が得られる主なメリットを3つの観点から詳しく解説します。

価格競争からの脱却と利益率の向上

ブランディングの最大のメリットの一つは、価格競争に巻き込まれなくなることです。市場に類似商品が溢れる現代において、機能や価格だけで勝負をしようとすると、どうしても「より安く」提供せざるを得なくなり、利益を圧迫します。

しかし、確固たるブランドが確立されていれば、顧客は「このブランドだから買いたい」「この企業なら安心できる」という理由で商品やサービスを選んでくれます。この状態になれば、他社よりも高い価格設定であっても顧客に納得して購入してもらえるため、高い利益率を確保することが可能です。

また、ブランドへの愛着(ブランドロイヤリティ)が高い顧客はリピーターになりやすく、新規顧客獲得のための広告宣伝費を抑える効果も期待できます。結果として、LTV(顧客生涯価値)が最大化され、安定した収益基盤を築くことができるのです。

優秀な人材の確保と採用コストの削減

ブランディングの効果は、顧客だけでなく求職者に対しても大きな影響を与えます。これを「採用ブランディング」と呼びますが、企業のビジョンや魅力が世の中に広く認知されていると、その価値観に共感した優秀な人材が集まりやすくなります。

知名度が低くブランド力が弱い企業では、多くの求人媒体に高額な掲載費を支払って募集をかけても、なかなか応募が集まらないという課題に直面しがちです。一方で、ブランド力が高い企業は、指名検索で自社の採用サイトを訪れる求職者が増えるため、採用単価を大幅に削減できるというメリットがあります。

ブランディングの有無が採用活動に与える影響を整理すると、以下のようになります。

比較項目ブランディングが確立している企業ブランディングが不十分な企業
応募の質と量企業理念に共感した質の高い人材が多く集まる条件面(給与・待遇)重視の応募者が中心となる
採用コスト自然流入が増え、広告費などのコストを抑えられる求人媒体やエージェントへの依存度が高くコストが嵩む
入社後の定着率価値観のミスマッチが少なく、定着率が高い入社後のギャップが生じやすく、早期離職のリスクがある

社員のモチベーション向上と組織力の強化

ブランディングは社外だけでなく、社内の従業員に対してもポジティブな効果をもたらします。これを「インナーブランディング」と言います。自社が社会的に認知され、ブランドとして評価されていることは、そこで働く社員にとって大きな誇りとなります。

「自分たちは社会に価値を提供している素晴らしいブランドの一員である」という自覚は、従業員エンゲージメント(会社への愛着心や貢献意欲)を高めます。社員のモチベーションが向上すれば、一人ひとりが自律的にブランドの価値を体現するような行動をとるようになり、結果としてサービス品質や組織全体の生産性が向上するという好循環が生まれます。

逆にブランドの方向性が不明確だと、社員の判断基準がブレてしまい、組織としての一体感が損なわれる原因になります。強力なブランドは求心力となり、組織を一つの方向へと導く羅針盤の役割も果たすのです。

ブランディングの種類と主な手法

ブランディングは、誰に対してブランドの価値を伝えたいかという「ターゲット」によって、大きく3つの種類に分類されます。一般的に想起される顧客向けの活動だけでなく、社内や求職者に向けた活動も企業の成長には不可欠です。

まずは、それぞれのブランディングの違いと特徴を整理しましたので、以下の表をご覧ください。

種類主なターゲット目的代表的な手法
アウターブランディング顧客・消費者・取引先売上向上・ファン化・競合との差別化広告、Webサイト、ロゴ、商品パッケージ、接客
インナーブランディング社員・スタッフ理念の浸透・組織力強化・離職率低下クレドカード、社内報、研修、表彰制度
採用ブランディング求職者・学生応募者増・ミスマッチ防止・採用コスト削減採用サイト、会社説明会、SNS発信、インターン

これら3つのブランディングは独立しているものではなく、相互に影響し合っています。ここからは、それぞれの手法について詳しく解説します。

顧客に向けたアウターブランディング

アウターブランディングは、一般的に「ブランディング」と言った際に最もイメージされる、社外の顧客や消費者に向けた活動です。自社の商品やサービスが競合他社よりも魅力的であると認識させ、選ばれ続けるための信頼関係を構築することが主な目的となります。

アウターブランディングでは、顧客とのあらゆる接点(タッチポイント)において、一貫した世界観を伝えることが重要です。具体的な手法としては以下のようなものが挙げられます。

  • ビジュアル・アイデンティティ(VI)の統一:ロゴマーク、ブランドカラー、フォントなどを統一し、視覚的な記憶に残るようにします。
  • ブランドメッセージの発信:キャッチコピーやタグラインを通じて、ブランドが提供する価値や約束を言語化して伝えます。
  • 顧客体験(UX)の向上:Webサイトの使いやすさ、店舗での接客態度、購入後のアフターサポートなど、体験全体を通じてブランド価値を感じてもらいます。

アウターブランディングが成功すると、「指名買い」が増えることで広告費を削減できたり、価格競争に巻き込まれずに適正価格での販売が可能になったりするなど、利益率の向上に直結します。

社内に向けたインナーブランディング

インナーブランディングは、企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)やブランドの目指す姿を、社員一人ひとりに深く浸透させる活動です。どれほど素晴らしい広告でアウターブランディングを行っても、現場の社員の対応がブランドイメージと乖離していれば、顧客の信頼は一瞬で失われます。そのため、社員自身がブランドのファンとなり、自発的にブランド価値を体現できる状態を作ることが重要です。

インナーブランディングを推進するための具体的な手法には、以下のようなアプローチがあります。

  • 理念の言語化とツール化:抽象的な理念を分かりやすい言葉に落とし込み、クレドカード(行動指針カード)やブランドブックとして配布し、常に携帯できるようにします。
  • 社内コミュニケーションの活性化:社内報やイントラネットを活用して、経営層の想いや活躍している社員のストーリーを共有します。
  • ワークショップや研修の実施:一方的な通達ではなく、社員同士が「自分たちにとってのブランドとは何か」を議論する場を設け、自分事として捉える機会を作ります。

インナーブランディングが浸透すると、社員のエンゲージメント(帰属意識)が高まり、モチベーションの向上や離職率の低下といった組織的なメリットも生まれます。

求職者に向けた採用ブランディング

採用ブランディング(エンプロイヤー・ブランディング)は、企業が「働く場所」としての魅力を発信し、自社にマッチした優秀な人材を獲得するための活動です。単に知名度を上げて応募数を増やすだけでなく、自社の価値観やカルチャーに深く共感する人材を集め、入社後のミスマッチを防ぐことに重点が置かれます。

少子高齢化により人材獲得競争が激化する中で、採用ブランディングの重要性は年々高まっています。効果的な手法としては以下の通りです。

  • オウンドメディアでの情報発信:採用サイトやブログ、SNSを通じて、実際の働き方、社員インタビュー、オフィスの雰囲気などをありのままに伝えます。
  • キャンディデート・エクスペリエンス(候補者体験)の向上:面接官の対応や選考スピード、合否連絡の丁寧さなど、選考プロセスそのものが企業の印象を決定づけるため、これらを最適化します。
  • リファラル採用の強化:既存社員が知人を紹介したくなるような制度や風土を作ることも、信頼性の高い採用ブランディングの一環です。

採用ブランディングに成功すると、採用コスト(広告費やエージェント費用)を大幅に削減できるだけでなく、入社後の定着率が高く、早期に活躍できる人材を確保しやすくなります。

ブランディングの進め方と具体的な手順

ブランディングは単にロゴマークを一新したり、広告を出したりすることではありません。企業や製品が持つ本質的な価値を見つけ出し、それをユーザーに正しく伝え、信頼を積み重ねていくための戦略的なプロセスです。成功するブランディングには、順序立てられた明確なステップが必要です。

ここでは、ブランディングを成功に導くための標準的なフレームワークに基づいた、具体的な進め方を3つのフェーズに分けて解説します。

現状分析と課題の抽出

ブランディングの第一歩は、自社が現在どのような立ち位置にいるのかを客観的に把握することから始まります。感覚や思い込みで進めるのではなく、データやフレームワークを用いて市場環境、競合他社、自社の強みを徹底的に分析することが重要です。

このフェーズでは、主に以下のフレームワークを用いて環境分析を行います。

分析手法概要と目的分析する主な要素
PEST分析マクロ環境(外部環境)を分析し、世の中のトレンドや法規制が自社に与える影響を把握します。政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)
3C分析外部環境と内部環境を照らし合わせ、ブランディングの方向性を定めるための重要成功要因(KFS)を見つけます。市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)
SWOT分析自社のプラス面とマイナス面、外部のチャンスとリスクを整理し、戦略の仮説を立てます。強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)

これらの分析を通じて、「競合他社にはない自社だけの強みは何か」「顧客が本当に求めている価値は何か」を明確にします。現状の課題を浮き彫りにし、解決すべきポイントを整理することが、後のコンセプト設計の土台となります。

ブランドコンセプトの設計

環境分析で得られた情報を基に、ブランドの核となる「ブランドコンセプト」を設計します。これはブランディング活動における羅針盤のようなものであり、すべての企業活動やクリエイティブの判断基準となる最も重要な工程です。

ターゲット(ペルソナ)の設定

「誰に」選ばれたいのかを明確にします。単に「20代女性」といった属性だけでなく、趣味嗜好、ライフスタイル、抱えている悩みなどを具体的に設定した「ペルソナ」を作成します。ターゲットを絞り込むことで、メッセージが鋭くなり、結果として多くの人の共感を呼びやすくなります。

ブランドアイデンティティの確立

ターゲットに対して「どのような価値」を提供するのかを言語化します。ここでは、以下の要素を決定します。

  • ブランドミッション:ブランドが果たすべき社会的使命
  • ブランドビジョン:ブランドが目指す将来の姿
  • ブランドバリュー:顧客に提供する具体的な価値や約束

競合他社との差別化を図り、独自の立ち位置を築く「ポジショニング」を明確にすることで、顧客から指名買いされるための理由付けを行います。

ブランド要素の作成と発信

設計したコンセプトを、顧客が五感で認識できる形(ブランド要素)に変換し、あらゆるタッチポイント(顧客との接点)で発信していきます。ここで重要なのは、視覚的なデザインと言語的なメッセージに一貫性を持たせることです。

視覚的要素(ビジュアル・アイデンティティ)

ブランドの世界観を視覚的に伝えます。ロゴデザイン、ブランドカラー、タイポグラフィ(フォント)、パッケージデザイン、Webサイトのデザインなどが含まれます。これらは単にかっこいいものではなく、ブランドコンセプトを体現したものである必要があります。

言語的要素(バーバル・アイデンティティ)

ブランドのメッセージを言葉で伝えます。ブランドネーム、タグライン(キャッチコピー)、ステートメント、スローガンなどが該当します。また、発信する際の口調(トーン&マナー)を統一することも、ブランドの人格を形成する上で欠かせません。

体験的要素とタッチポイントの最適化

作成したブランド要素を、Webサイト、SNS、広告、店舗の内装、接客態度、名刺やパンフレットなど、顧客と接するすべての場所で展開します。オンライン・オフラインを問わず、どこでブランドに触れても同じ価値観を感じられるように体験を設計することで、ブランドへの信頼と愛着(ロイヤリティ)が育まれます。

失敗しないためのブランディングの注意点

ブランディングは企業価値を高める強力な手段ですが、戦略を誤ると投資対効果が得られないばかりか、かえって企業の信頼を損なうリスクも孕んでいます。成功への近道は、過去の失敗事例から学び、陥りやすい落とし穴を事前に回避することです。ここでは、ブランディングを進めるうえで特に注意すべき3つのポイントを解説します。

ターゲットとコンセプトのズレを防ぐ

ブランディングにおいて最も致命的な失敗の一つが、企業が発信したいメッセージと、顧客が求めている価値との間に乖離が生じることです。どれほど洗練されたロゴやキャッチコピーを作成しても、それがターゲット顧客の心に響かなければ意味がありません。

顧客視点の欠如と「独りよがり」な発信

企業側が自社の強みや技術力をアピールしたいあまり、顧客のニーズを置き去りにしてしまうケースが散見されます。これを防ぐためには、徹底した市場調査と顧客インサイトの分析を行い、顧客が真に求めている体験や価値を特定することが不可欠です。ブランドコンセプトは、企業の「伝えたいこと」と顧客の「知りたいこと」が重なる領域で設計されなければなりません。

ペルソナ設定の具体化

「20代〜30代の女性」といった広すぎるターゲット設定では、メッセージが誰にも深く刺さらない可能性があります。趣味嗜好、ライフスタイル、抱えている悩みまで詳細に落とし込んだ「ペルソナ」を設定し、その特定の人物に向けて手紙を書くようにブランドメッセージを構築しましょう。ターゲットを絞り込むことは勇気が必要ですが、誰にでも好かれようとするブランドは、結果として誰の記憶にも残らないブランドになってしまうという事実を認識する必要があります。

社内への浸透を怠らない

対外的なアウターブランディングにばかり注力し、社内に向けたインナーブランディングを疎かにすることは、ブランド崩壊の序曲となり得ます。ブランドをつくるのは経営者やマーケティング担当者だけでなく、現場で働く社員一人ひとりだからです。

従業員の行動こそがブランドを体現する

顧客は、広告のイメージだけでなく、電話対応、接客態度、商品の品質、アフターサポートなど、あらゆるタッチポイント(接点)を通じてブランドを評価します。もし広告で「誠実さ」を謳っているにもかかわらず、社員の対応が粗雑であれば、顧客は「裏切られた」と感じ、ブランドへの不信感は決定的なものとなります。社員がブランドのビジョンや価値観を深く理解し、自発的にそれを体現する行動をとれる状態にすることこそが、真のブランディング成功の鍵です。

懸念されるリスク具体的な弊害推奨される対策
言行不一致広告イメージと実際の顧客体験にギャップが生まれ、クレームや評判悪化につながる。ブランドブックの配布や研修を通じ、行動指針を具体化して共有する。
離職率の増加会社の方向性に共感できず、社員のモチベーションや帰属意識が低下する。経営層がビジョンを語り続け、ブランド体現者を評価する仕組みを作る。
組織の縦割り化部署ごとに判断基準が異なり、ブランドとしての一貫したサービス提供ができない。部門横断的なブランドプロジェクトを発足させ、共通言語を作る。

継続的な発信と管理の重要性

ブランディングは、一度コンセプトを決めてロゴを作れば終わりというプロジェクトではありません。むしろ、そこからがスタートであり、長い時間をかけて育てていくプロセスです。

一貫性の欠如が信頼を損なう

担当者が変わるたびにデザインのトーンが変わったり、流行に合わせて主張がコロコロ変わったりするブランドは、顧客に認知されず、信頼も蓄積されません。これを防ぐためには、ブランドガイドライン(レギュレーション)を策定し、ロゴの使用方法、フォント、配色、言葉遣いなどのルールを厳格に運用することが重要です。あらゆる媒体で統一された世界観を発信し続けることで、顧客の脳内にブランドのイメージが定着します。

長期的な視点でのブランド育成

ブランド・エクイティ(ブランドの資産価値)は、一朝一夕には築けません。即効性のある売上向上施策とは異なり、ブランディングの効果が数値として表れるまでには時間がかかります。短期的な成果が出ないからといってすぐに方針を変更するのではなく、長期的な視点で投資を継続し、顧客との信頼関係を積み重ねていく覚悟が必要です。定期的にブランド調査(ブランド・オーディット)を行い、現状のブランドイメージが意図した通りに伝わっているかを確認しながら、微調整を繰り返していく姿勢が求められます。

まとめ

ブランディングとは、企業や商品が持つ独自の価値を明確にし、顧客にとって唯一無二の存在となるための重要な経営戦略です。マーケティングが「売るための仕組み作り」であるのに対し、ブランディングは「選ばれ続けるための信頼構築」を目的とする点で異なります。

正しく取り組むことで、価格競争からの脱却や優秀な人材の確保、社員のエンゲージメント向上など、多岐にわたるメリットを享受できます。成功の鍵は、ターゲットに響くコンセプトを一貫して発信し続けることです。まずは自社の強みを見つめ直し、社内外へ浸透させることから始めましょう。

都留 樹生

このブログの監修者

都留 樹生

学生時代の友人である社長に拾われ創業時にFREEDiVEにジョイン。 成功報酬(アフィリエイト)領域の広告に対する知見と戦略設計で、200社以上の運用実績を持ち、BPXを売上0から7億円の企業に。 個人でも8年間PPC系のアフィリエイターとして活動している。

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