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【2025年最新版】リスティング広告とは?基礎から運用まで徹底解説

2025.08.27

【2025年最新版】リスティング広告とは?基礎から運用まで徹底解説

本記事ではリスティング広告の仕組みから費用、始め方はもちろん基礎知識からSEOやSNS広告との違い、Google・Yahoo!広告での出稿手順、成果を出す運用テクニックまで解説します。

リスティング広告は購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできる、もっとも即効性の高い集客手法ですのでマーケテイング担当者は覚えておいて損はありません。

リスティング広告とは 顕在層にアプローチするWeb広告の王道

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果ページに、ユーザーが検索したキーワードと連動して表示されるテキスト形式の広告のことです。「検索連動型広告」とも呼ばれ、数あるWeb広告の中でも特に代表的な手法です。

例えば、あなたが「新宿 焼肉 個室」と検索した際に、検索結果の上部や下部に「広告」というラベルと共に表示される店舗情報がリスティング広告にあたります。このように、商品やサービスを「今すぐ探している」「まさに購入を検討している」といった、ニーズが明確な「顕在層」のユーザーに直接アプローチできる点が、リスティング広告の最大の強みであり、「Web広告の王道」と言われる所以です。

この記事の最初の章では、そんなリスティング広告の基本的な仕組みと、広告の掲載順位がどのように決まるのかについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

リスティング広告の基本的な仕組み

リスティング広告は、広告主が設定したキーワードをユーザーが検索した際に、その検索結果ページに広告を表示するというシンプルな仕組みです。しかし、その裏側にはいくつかの重要な要素が関わっています。

まず、広告が表示される場所は、主に検索結果ページの上部と下部です。自然検索(SEOによる表示順位)の結果よりも目立つ位置に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすいという特徴があります。

広告は、主に以下の要素で構成されています。

構成要素内容
タイトル(見出し)ユーザーの目を引く最も重要な部分。広告文の先頭に青色などの文字で大きく表示されます。
説明文タイトルの内容を補足し、商品やサービスの詳細、強みなどを具体的に伝える文章です。
表示URL実際に表示されるURL。ユーザーがどのサイトに移動するのかを分かりやすく示すためのものです。
最終ページURLユーザーが広告をクリックした際に、実際に遷移するページのURL(ランディングページ)です。
広告表示オプション上記の基本要素に加え、電話番号や住所、サイト内の特定ページへのリンクなどを追加で表示できる機能です。広告の占有面積が広がり、クリック率の向上が期待できます。

そして、リスティング広告の課金方式は、原則として「クリック課金(PPC: Pay Per Click)」が採用されています。これは、広告が検索結果に表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーがその広告をクリックして初めて料金が課金されるという仕組みです。興味を持ったユーザーのアクションに対してのみ費用が発生するため、費用対効果を把握しやすく、無駄な広告費を抑制できるという大きなメリットがあります。

広告の掲載順位が決まるオークションの仕組み

リスティング広告は、キーワードを検索するたびに、どの広告をどの順位で表示するかが「オークション」によって瞬時に決定されています。しかし、このオークションは、単純に入札金額が高い広告主が必ず勝つというわけではありません。

掲載順位を決定するのは、「広告ランク」という指標です。この広告ランクは、主に以下の要素を掛け合わせて算出されます。

  • 入札単価(上限クリック単価):広告主が「1クリックに対して最大でいくらまで支払えるか」を設定した金額。
  • 品質スコア(広告の品質):広告文、キーワード、そして広告のリンク先であるランディングページの関連性や利便性などを、広告媒体(GoogleやYahoo!)が10段階などで評価した指標。
  • 広告表示オプションなどの効果:設定した広告表示オプションが、広告のパフォーマンスにどの程度良い影響を与えるかの予測値。

計算式のイメージは「広告ランク = 入札単価 × 品質スコア + 広告表示オプションなどの効果」となります。この広告ランクの数値が最も高い広告が1位に表示され、以降、数値の高い順に掲載順位が決まります。

この仕組みで最も重要なポイントは、品質スコアの存在です。たとえ競合より入札単価が低くても品質スコアが高ければ、広告ランクで上回りより低いクリック単価で上位に広告を掲載できる可能性があるのです。そのため、リスティング広告で成果を出すためには、ユーザーにとって価値のある、関連性の高い広告とランディングページを用意し、品質スコアを高めていくことが極めて重要になります。

なぜリスティング広告を使うべきか 目的別の活用法

Web広告には様々な種類がありますが、その中でも多くの企業がリスティング広告を導入しています。その理由は、リスティング広告が持つ独自の強みと、ビジネスの様々な目的に柔軟に対応できる活用法の幅広さにあります。検索エンジンで特定のキーワードを検索するという行動は、ユーザーがその分野に対して強い興味や関心、あるいは解決したい悩みを持っている証拠です。リスティング広告は、このような購買意欲や問題解決意欲が高い「顕在層」に、的確なタイミングでアプローチできる極めて効率的な広告手法なのです。ここでは、リスティング広告を活用すべき3つの大きなメリットを、具体的な目的や活用シーンと合わせて詳しく解説します。

メリット1 即効性が高くスピーディーな集客が可能

リスティング広告最大のメリットは、その「即効性」にあります。広告アカウントを開設し、キャンペーンや広告グループ、キーワード、広告文を設定すれば、審査完了後すぐに広告配信を開始できます。早ければ、広告を出稿したその日のうちに検索結果画面に自社の広告を表示させ、Webサイトへのアクセスを集めることが可能です。

例えば、自然検索結果で上位表示を目指すSEO(検索エンジン最適化)は、効果を実感できるまでに数ヶ月から1年以上かかることも珍しくありません。しかし、リスティング広告なら時間をかけることなく、狙ったキーワードでユーザーの目に触れる機会を創出できます。この即効性は、以下のような場面で特に威力を発揮します。

  • 新商品や新サービスのローンチに合わせた集客
  • 期間限定のキャンペーンやセールの告知
  • 急遽開催が決まったイベントやセミナーの集客
  • Webサイトを立ち上げたばかりで、すぐにアクセスが欲しい場合

ビジネスの世界ではスピードが求められる場面が多々あります。リスティング広告は、そうした「今すぐ集客したい」というニーズに迅速に応えられる、強力なマーケティングツールと言えるでしょう。

メリット2 費用対効果を可視化しやすい

リスティング広告は、投じた広告費用に対してどれだけの成果(コンバージョン)が得られたかをデータで正確に把握できる点も大きなメリットです。広告管理画面では、広告の表示回数(インプレッション)やクリック数、クリック率(CTR)はもちろん、商品購入や問い合わせといった成果(コンバージョン)の数、1件の成果獲得にかかった費用(CPA)、広告費用の回収率(ROAS)など、様々な指標をリアルタイムで確認できます。

これらの詳細なデータを分析することで、「どのキーワードが成果につながりやすいのか」「どの広告文がユーザーの心に響くのか」「どの地域や時間帯に広告を配信すれば効率が良いのか」といったことが明確になります。データに基づいて仮説を立て、改善を繰り返すPDCAサイクルを回しやすいため、感覚的な運用ではなく、論理に基づいた広告戦略の最適化が可能です。

以下に、リスティング広告運用でよく用いられる主要な指標をまとめました。

指標名概要ビジネス上の意味
インプレッション(Imp)広告が表示された回数
どれだけ多くのユーザーの目に触れたかを示す。認知度の指標
クリック数(Click)広告がクリックされた回数広告に興味を持ち、Webサイトへ訪問したユーザー数を示す
クリック率(CTR)表示回数に対するクリック数の割合広告文やキーワードがユーザーの興味を引けているかを示す指標
コンバージョン(CV)商品購入や資料請求など、設定した成果の達成数広告が直接的なビジネス成果に結びついた数を示す最重要指標
コンバージョン率(CVR)クリック数に対するコンバージョン数の割合広告をクリックしたユーザーがどれだけ成果に至ったかを示す効率性の指標
顧客獲得単価(CPA)1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用広告の費用対効果を測る重要な指標。この数値をいかに抑えるかが鍵

このように、あらゆる活動が数値で可視化されるため、広告予算の投資対効果(ROI)を明確にしながら、継続的な改善を図ることができます。

メリット3 少ない予算からでも始められる

「Web広告は多額の費用がかかる」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、リスティング広告は月々数万円といった少ない予算からでも始めることが可能です。多くのリスティング広告はクリック課金制(CPC: Cost Per Click)を採用しており、広告が表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーが広告をクリックして初めて料金が課金される仕組みです。

さらに、1日に使用する広告費の上限を「日予算」として設定できるため、想定外の費用が発生する心配がありません。「まずは試しに1日1,000円から始めてみよう」といったスモールスタートが可能です。これにより、中小企業や個人事業主の方でも、リスクを抑えながらWebマーケティングに挑戦することができます。

例えば、以下のような段階的なアプローチが有効です。

  • 1.まずは少額の予算で広告を配信し、データ(クリック率やコンバージョン率など)を収集する
  • 2.成果の高いキーワードや広告文を見極める
  • 3.効果的な配信方法が分かってきたら、徐々に予算を増やして成果の拡大を目指す

このように、自社の状況に合わせて柔軟に予算をコントロールできる点は、特に初めてWeb広告に取り組む企業にとって大きな安心材料となるでしょう

リスティング広告の費用はいくらかかる?

リスティング広告を始めるにあたって、最も気になるのが「費用」ではないでしょうか。結論から言うと、リスティング広告には決まった料金プランが存在せず、広告主が自由に予算を設定できます。月額数万円といった少額からでも始められますし、数百万円以上の大規模な投資も可能です。費用の中心となるのは、広告がクリックされるたびに料金が発生する「クリック課金制」です。ここでは、その仕組みと予算の考え方について詳しく解説します。

リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPANなどの検索エンジンで、ユーザーが特定のキーワードで検索した際に、その検索結果ページに連動して表示されるテキスト広告のことです。例えば、ユーザーが「ダイエット サプリ おすすめ」と検索した際に、そのキーワードに関連する広告が表示されます。悩みや目的が明確な「今すぐ客」に直接アプローチできるため、コンバージョンに繋がりやすいのが最大の強みです。

クリック課金(CPC)の仕組みと相場

リスティング広告の費用を理解する上で欠かせないのが、クリック課金(Cost Per Click、略してCPC)という考え方です。これは、広告が検索結果に表示されるだけでは費用は一切かからず、ユーザーが広告をクリックして初めて費用が発生する仕組みです。この1クリックあたりの費用のことを「クリック単価」と呼びます。

クリック単価は、オークション形式で決定されます。ただし、単純に入札価格が高い広告が上位に表示されるわけではありません。以下の計算式で算出される「広告ランク」の高さで掲載順位が決まり、実際のクリック単価もこの広告ランクと品質スコアが大きく影響します。

実際のクリック単価の計算式(目安):(競合の広告ランク ÷ 自社の品質スコア) + 1円

この式からわかるように、広告文やランディングページの質を高めて「品質スコア」を改善すれば、競合よりも低い入札価格で、より上位に広告を掲載できる可能性があり、クリック単価を抑えることにつながります。

クリック単価の業界別相場
業界クリック単価(CPC)の相場特徴
金融・保険500円~数千円カードローンや保険など、成約時の利益が非常に高いため、クリック単価も高騰しやすい
不動産400円~数千円物件の売買や賃貸など、単価が高く競合が多いため、地域名や物件種別を絞っても高単価になりがち
人材・教育300円~数千円転職エージェントや資格スクールなど、専門性が高く顧客単価も高いため、競争が激しい
美容・健康200円~数千円美容クリニックや脱毛サロン、健康食品など、特に悩みに直結するキーワードは高単価になる傾向
BtoB(法人向けサービス)300円~1,500円専門的なツールやコンサルティングなど、長期的な取引につながるため入札が強まりやすい
EC・通販30円~300円アパレルや雑貨など、比較的単価が低く商品数が多いため、幅広いキーワードで出稿される

※上記の金額はあくまで目安です。具体的なキーワードや出稿時期、地域によって単価は常に変動します。

1か月の広告予算の考え方と決め方

リスティング広告の予算は、闇雲に決めるのではなく、事業の目標から逆算して設定することが成功の鍵です。ここでは、目標達成に必要な広告予算の算出方法と、一般的な予算の考え方をご紹介します。

目標から逆算する広告予算の算出方法

広告予算は、以下の4つのステップで算出するのが基本です。

  • 目標コンバージョン(CV)数を決める まず、広告を通じて1か月に獲得したい成果(商品購入、問い合わせ、資料請求など)の件数を具体的に設定します。
  • 目標CPA(顧客獲得単価)を決める 次に、1件のコンバージョンを獲得するためにかけられる上限費用(CPA:Cost Per Action)を決めます。これは、商品の利益額などから算出します。(例:利益が1万円なら、CPAは5,000円に設定するなど)
  • 必要なクリック数を算出する 目標コンバージョン数と、Webサイトの想定コンバージョン率(CVR)から、目標達成に必要なクリック数を計算します。計算式:必要なクリック数 = 目標CV数 ÷ 想定CVR
  • 1か月の広告予算を算出する 最後に、算出したクリック数と、出稿したいキーワードの想定クリック単価(CPC)を掛け合わせることで、必要な月額予算がわかります。計算式:1か月の広告予算 = 必要なクリック数 × 想定CPC
【具体例】広告予算のシミュレーション

実際に上記のステップに沿って、広告予算を計算してみましょう。

  • 目標CV数:月に20件の問い合わせを獲得したい
  • Webサイトの想定CVR:1%(100クリックで1件のCVが発生すると仮定)
  • 想定クリック単価(CPC):300円

この場合、以下のように計算できます。

ステップ1:必要なクリック数を計算
20件(目標CV数) ÷ 1%(想定CVR) = 2,000クリック

ステップ2:1か月の広告予算を計算
2,000クリック × 300円(想定CPC) = 600,000円

このように、目標を明確にすることで、事業計画に基づいた適切な広告予算を設定することができます。

いくらから始めるべき?最低予算の目安

理論上は1円からでも出稿可能ですが、広告の成果を正しく分析・改善していくためには、ある程度のデータ(クリック数やコンバージョン数)が必要です。そのため、一般的には月額10万円~30万円程度から始める企業が多いです。もちろん、まずは広告の仕組みに慣れるために月額3万円~5万円といった少額からテスト的に配信し、効果を見ながら徐々に予算を増やしていくという進め方も有効です。

広告費以外にかかる費用

自社で運用するのではなく、広告代理店に運用を依頼する場合は、広告費とは別に「運用代行手数料」が発生します。手数料の体系は代理店によって異なりますが、一般的には「広告費の20%」が相場とされています。その他、初期費用やコンサルティング費用が必要な場合もあるため、代理店に依頼する際は事前に料金体系を確認しておきましょう。

リスティング広告と他の広告手法を徹底比較

Webマーケティングには、リスティング広告以外にも様々な手法が存在します。それぞれの広告手法には異なる特徴があり、目的やターゲットに応じて最適なものを選ぶことが成功への鍵となります。ここでは、代表的なWeb集客手法である「SEO」「ディスプレイ広告」「SNS広告」とリスティング広告を比較し、それぞれの違いや使い分けについて詳しく解説します。

リスティング広告 vs SEO

リスティング広告とSEOは、どちらもGoogleやYahoo!といった検索エンジンを利用した集客手法であるため、混同されがちです。しかし、その性質は大きく異なります。最も大きな違いは、費用をかけて広告枠に表示させるか、費用をかけずに自然検索結果での上位表示を目指すかという点です。

比較項目リスティング広告SEO(検索エンジン最適化)
手法検索連動型広告(有料)自然検索での上位表示施策
掲載場所検索結果画面の上部・下部の広告枠検索結果画面の広告枠以外の自然検索領域
費用形態クリック課金(CPC)無料(ただしコンテンツ制作や外部委託にコストが発生)
即効性高い(広告出稿後、すぐに表示可能)低い(効果が出るまで数ヶ月〜1年以上かかることも)
コントロール性高い(キーワード、予算、広告文、配信地域などを自由に調整可能)低い(検索エンジンのアルゴリズムに依存するため、順位の保証はない)
クリック率一般的にSEOより低い傾向上位表示されれば高いクリック率が期待できる
ユーザーからの信頼性「広告」と認識されるため、SEOより信頼性が低い傾向広告ではないため、ユーザーから信頼されやすい傾向

リスティング広告は即効性が高く、特定のキーワードで確実にユーザーにアプローチしたい場合に非常に有効です。一方、SEOは効果が出るまでに時間がかかりますが、一度上位表示されれば安定した集客が見込めるため、長期的な資産となります。短期的な集客はリスティング広告、長期的な資産構築はSEOと、両者を組み合わせることで相乗効果が期待できます。

リスティング広告 vs ディスプレイ広告

リスティング広告とディスプレイ広告は、どちらもWeb広告の代表的な手法ですが、アプローチするユーザー層が根本的に異なります。リスティング広告が「今すぐ客」である顕在層にアプローチするのに対し、ディスプレイ広告は「これから客」となる潜在層へのアプローチを得意とします。

比較項目リスティング広告ディスプレイ広告
アプローチ層顕在層(能動的に情報を探しているユーザー)潜在層(まだニーズが明確でないユーザー)
掲載場所検索結果画面Webサイトやアプリ内の広告枠
広告フォーマットテキストが中心画像(バナー)、動画、テキストなど多彩
ターゲティング手法キーワード(ユーザーの検索語句)ユーザーの属性、興味関心、閲覧履歴など(人軸)
クリック単価(CPC)比較的高い比較的安い
コンバージョン率(CVR)比較的高い比較的低い

購入や問い合わせといった直接的なコンバージョン獲得が目的ならリスティング広告、商品やサービスの認知度向上やブランディングが目的ならディスプレイ広告が適しています。また、一度自社サイトを訪れたユーザーに再度広告を表示する「リマーケティング(リターゲティング)」は、ディスプレイ広告の代表的な活用法です。

リスティング広告 vs SNS広告

SNS広告は、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINEなどのソーシャルネットワーキングサービス上に配信される広告です。ユーザーの登録情報や行動履歴に基づいた精度の高いターゲティングが特徴で、潜在層へのアプローチに強みがあります。

比較項目リスティング広告SNS広告
プラットフォーム検索エンジン(Google, Yahoo!など)SNS(Facebook, Instagram, X, LINEなど)
アプローチ層顕在層潜在層
ターゲティング手法キーワード(検索意図)ユーザーの登録情報(年齢、性別、地域など)、興味関心、つながり
広告フォーマットテキストが中心画像、動画、カルーセル、ストーリーズなど視覚的なフォーマットが豊富
拡散性なし高い(「いいね!」や「シェア」による情報の拡散が期待できる)
主な目的直接的なコンバージョン獲得認知拡大、ブランディング、ファン(エンゲージメント)獲得

リスティング広告は「ニーズ」に基づいてユーザーを探し出すのに対し、SNS広告は「人」に基づいてユーザーに情報を届けます。SNS広告は、精度の高いターゲティングと「いいね!」や「シェア」による拡散性が大きな魅力です。ビジュアルで訴求しやすい商材や、特定のライフスタイルを持つ層にアプローチしたい場合に特に効果を発揮します。それぞれの広告の特性を理解し、自社の目的や商材に合わせて最適な手法を選択、あるいは組み合わせて活用することが重要です。

リスティング広告の出稿から運用までの流れ

リスティング広告の仕組みやメリットを理解したら、次はいよいよ実践です。ここでは、広告アカウントの開設から広告配信、そして成果を最大化するための改善サイクルまで、具体的な流れをステップ・バイ・ステップで解説します。初心者の方でもこの通りに進めれば、スムーズに広告配信を始めることができます。

Google広告とYahoo!広告 どちらを選ぶべきか

日本国内でリスティング広告を出稿する場合、プラットフォームは主に「Google広告」と「Yahoo!広告」の2つです。それぞれに特徴があり、ターゲットや商材によって最適な媒体は異なります。まずは両者の違いを理解し、自社に合ったプラットフォームを選びましょう。

どちらの媒体を選ぶべきか迷う場合は、まずは国内検索エンジンシェアNo.1のGoogle広告から始めるのがおすすめです。幅広いユーザーにリーチできるため、多くのビジネスで成果を期待できます。その上で、特定の年齢層やPCユーザーへのアプローチを強化したい場合にYahoo!広告を併用するのが効果的です。以下に両者の特徴をまとめました。

比較項目Google広告Yahoo!広告
主な掲載先Google、YouTube、goo、BIGLOBEなど多数の提携サイトYahoo! JAPAN、朝日新聞デジタル、bingなど
ユーザー層全世代で利用者が多く、特に若年層やビジネス層に強い。スマートフォン利用者が中心比較的高めの年齢層(40代以上)の利用者が多い。PCでの利用率がGoogleより高い傾向
ターゲティング精度詳細なオーディエンスデータに基づいた高精度なターゲティングが可能。カスタムセグメントも豊富Yahoo! JAPANの独自データを活用したターゲティングが特徴。「サーチキーワードターゲティング」など独自の機能も
広告表示オプション画像表示オプションや価格表示オプションなど、種類が豊富で柔軟な設定が可能Google広告と類似のオプションが揃っているが、一部機能に差異あり
審査AIによる自動審査が中心で、ポリシーが厳格。審査スピードは比較的速い目視による審査も行われ、Google広告に比べて審査基準が比較的緩やかな傾向がある

アカウント開設から広告配信までの手順

広告媒体を決めたら、次はいよいよアカウントを開設して広告配信の準備を進めます。ここでは、一般的なリスティング広告の出稿手順を6つのステップに分けて解説します。

ステップ1:広告アカウントの開設

まずは、利用する広告媒体のアカウントを作成します。開設は無料で、以下のものを用意しておくとスムーズに進みます。

  • Google広告の場合:Googleアカウント、広告をリンクさせるウェブサイトのURL
  • Yahoo!広告の場合:Yahoo! JAPANビジネスID、広告をリンクさせるウェブサイトのURL

画面の指示に従って、ビジネス情報や支払い情報を登録していきます。

ステップ2:キャンペーンの作成

アカウントが開設できたら、広告配信の土台となる「キャンペーン」を作成します。キャンペーンでは、広告配信の目的や予算など、全体の方針を決定します。

  • 目的の設定:「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」など、広告配信のゴールを設定します。
  • 配信地域・言語:広告を表示する国、都道府県、市区町村や、ターゲットユーザーが使用する言語を設定します。
  • 予算の設定:1日あたりに使用する広告費の上限を設定します。
  • 入札戦略:「クリック数の最大化」「コンバージョン数の最大化」など、目的に応じて最適な入札戦略を選択します。
ステップ3:広告グループの作成

キャンペーンの中に、より具体的なテーマで分類した「広告グループ」を作成します。広告グループは、「キーワード」と「広告文」を管理する単位です。商品やサービスの種類、ターゲットユーザーの属性など、テーマごとに広告グループを分けることで、広告の関連性が高まり、効果の改善がしやすくなります。

ステップ4:キーワードと広告文の登録

作成した広告グループに、ユーザーが検索すると想定される「キーワード」と、その検索結果に表示される「広告文」を登録します。ここはリスティング広告の成果を大きく左右する重要なポイントです。

  • キーワード:ユーザーの検索意図を的確に捉えたキーワードを選定します。後述するマッチタイプをうまく活用することが重要です。
  • 広告文:キーワードで検索したユーザーの興味を惹き、クリックしたくなるような魅力的な見出しと説明文を作成します。自社の強みや限定的なオファーなどを盛り込み、競合との差別化を図りましょう。
ランディングページの設定

広告をクリックしたユーザーが最終的にたどり着くウェブページ(ランディングページ)のURLを設定します。ランディングページの内容は、広告文やキーワードとの関連性が非常に重要

ランディングページ(LP)とは? 知っておきたい基礎知識と結果が出るランディングページの作り方

ステップ6:支払い情報の設定と審査

最後に、広告費を支払うためのクレジットカード情報などを登録します。すべての設定が完了すると、広告は媒体社の審査にかけられます。広告ポリシーに違反していないかなどがチェックされ、承認されると広告配信が開始されます。

広告配信後の効果測定と改善サイクル(PDCA)

リスティング広告は、配信を開始してからが本当のスタートです。成果を最大化するためには、配信結果を分析し、継続的に改善を繰り返す「PDCAサイクル」を回すことが不可欠です。広告は生き物であり、市場や競合の状況によって常に最適な設定は変化します。

広告配信後の効果測定と改善サイクル(PDCA)

広告配信を始める前に、何を達成したいのか具体的な目標(KPI:重要業績評価指標)を設定します。「1ヶ月で商品購入を30件獲得する」「顧客獲得単価(CPA)を5,000円以下に抑える」など、数値で測定できる目標を立てましょう。

Do(実行):広告を配信する

設定した計画に基づいて広告配信を開始します。データが蓄積されるまで、最低でも1週間〜2週間程度は様子を見ることが多いです。

Check(評価):配信結果を分析する

管理画面で広告のパフォーマンスデータを確認し、計画通りに進んでいるか、どこに課題があるのかを分析します。特に注視すべき主要な指標は以下の通りです。

指標内容改善のヒント
表示回数(Impression)広告が表示された回数少ない場合は、キーワードの検索ボリューム、入札単価、予算が原因の可能性があります
クリック率(CTR)広告が表示された回数のうち、クリックされた割合低い場合は、広告文がユーザーの興味を惹けていない、またはキーワードとの関連性が低い可能性があります
コンバージョン率(CVR)広告をクリックしたユーザーのうち、商品購入や問い合わせなどの成果に至った割合低い場合は、ランディングページに問題があるか、広告とLPの訴求内容がずれている可能性があります
顧客獲得単価(CPA)1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用目標より高い場合は、クリック単価を下げる、またはコンバージョン率を高める施策が必要です
Action(改善):改善策を実行する

分析結果に基づいて、具体的な改善策を考え、実行します。例えば、以下のようなアクションが考えられます。

  • クリック率が低い場合:広告文の見出しや説明文を修正する、より関連性の高いキーワードに絞る。
  • コンバージョン率が低い場合:ランディングページの構成やデザインを見直す、入力フォームを簡略化する。
  • 顧客獲得単価が高い場合:成果の出ていないキーワードの入札単価を下げる、または停止する。除外キーワードを追加して無駄なクリックを防ぐ。

このPDCAサイクルを定期的に回し続けることで、広告アカウントは最適化され、費用対効果は着実に向上していきます。

成果を出すためのリスティング広告運用テクニック

リスティング広告は、ただ出稿すれば自動的に成果が出る魔法の杖ではありません。広告配信を開始してからが本当のスタートであり、成果を最大化するためには継続的な分析と改善、つまり「運用」が不可欠です。ここでは、広告代理店やプロのマーケターが実践している、成果に直結する具体的な運用テクニックを3つのポイントに絞って徹底解説します。

キーワード選定とマッチタイプの活用法

リスティング広告の成果は、「誰に(ターゲット)」広告を表示させるかを決める「キーワード選定」で8割が決まると言っても過言ではありません。ユーザーがどのような言葉で検索したときに広告を表示させるか、その精度が費用対効果を大きく左右します。

キーワードを選定する際は、まずユーザーの「検索意図」を深く理解することが重要です。例えば、「英会話」と検索するユーザーと、「英会話 新宿 マンツーマン 安い」と検索するユーザーでは、求める情報やサービスへの熱量が全く異なります。前者はまだ情報収集段階かもしれませんが、後者は具体的なサービスを比較検討している可能性が高いでしょう。このように、ユーザーの意欲の高さに合わせてキーワードを戦略的に選定する必要があります。

さらに、選定したキーワードを効果的に活用するために、「マッチタイプ」という設定を理解し、使いこなすことが求められます。マッチタイプとは、登録したキーワードとユーザーが検索した語句がどの程度一致した場合に広告を表示させるかを制御する機能です。主に以下の3種類があります。

マッチタイプ特徴活用例
完全一致登録したキーワードと完全に同じか、酷似した意味の検索語句にのみ広告を表示します。最も表示範囲が狭く、コントロールしやすいのが特徴ですコンバージョン実績が既にある、確度の高いキーワード(例:「商品名 購入」)に設定し、無駄なクリックを徹底的に排除したい場合に有効です
フレーズ一致登録したキーワードと同じ意味のフレーズを含む検索語句に広告を表示します。「東京 レンタルオフィス」で登録した場合、「格安 東京 レンタルオフィス」には表示されますが、「東京 オフィス レンタル」には表示されないことがあります完全一致よりは表示機会を広げたいが、部分一致ほど広げたくない場合に適しています。特定の語順が重要なキーワード(例:「新宿 美容室」)で有効です
部分一致登録したキーワードの関連語句や類義語など、システムが関連性が高いと判断した検索語句に幅広く広告を表示します。最も表示範囲が広く、想定外のキーワードを発見できる可能性があります広告開始初期に、どのような検索語句でユーザーが流入してくるかを探る目的で活用します。ただし、意図しない検索語句にも表示されやすいため、後述する「除外キーワード」の設定が必須となります

効果的な戦略としては、まず部分一致で広くキーワードを収集し、その中からコンバージョンに繋がった有望な検索語句をフレーズ一致や完全一致で登録し直していくという手法が一般的です。これにより、機会損失を防ぎながら、徐々に広告の精度を高めていくことができます。

除外キーワード設定で無駄な広告費を削減

リスティング広告の費用対効果を高める上で、キーワード選定と同じくらい重要なのが「除外キーワード」の設定です。除外キーワードとは、その名の通り「広告を表示させたくない検索語句」を指定する機能です。これを設定することで、コンバージョンに繋がる可能性が低いユーザーからの無駄なクリックを防ぎ、広告費の浪費を抑えることができます。

例えば、あなたが高級イタリアンレストランの広告を出しているとします。その際、「イタリアン レシピ」「イタリアン 無料」といった検索語句で広告が表示されてクリックされると、広告費だけがかかり、予約には繋がりません。このような語句をあらかじめ除外キーワードとして設定しておくことで、広告予算を本当に見込みのあるユーザーに集中させることができるのです。

除外すべきキーワードの代表例は以下の通りです。

  • 情報収集目的のキーワード:「とは」「意味」「やり方」「方法」「事例」など
  • 費用感を求めるキーワード:「無料」「中古」「格安」「自作」「DIY」など(※商材による)
  • 求人関連のキーワード:「求人」「採用」「転職」「年収」「仕事」など
  • 競合他社名:他社の名前で検索しているユーザーへの表示を防ぎたい場合

では、どのようにして除外すべきキーワードを見つけるのでしょうか。最も効果的な方法は、広告管理画面の「検索語句レポート(検索クエリレポート)」を定期的にチェックすることです。このレポートでは、実際にユーザーがどのような検索語句で広告をクリックしたかを確認できます。その中から、自社のサービスとは関連性が低い、あるいはコンバージョンに繋がらないと判断した語句を、随時除外キーワードリストに追加していくのです。この地道な作業が、広告アカウント全体の健全性を保ち、費用対効果を最大化させる鍵となります。

コンバージョン率を高めるランディングページの作り方

リスティング広告の運用テクニックは、広告管理画面の中だけで完結するものではありません。ユーザーが広告をクリックした後に訪れる「ランディングページ(LP)」の質が、最終的な成果であるコンバージョン(商品購入や問い合わせなど)を大きく左右します。どんなに優れた広告文でユーザーを惹きつけても、受け皿となるLPが分かりにくかったり、魅力的でなかったりすれば、ユーザーはすぐに離脱してしまうでしょう。

コンバージョン率(CVR)の高いLPを作成するためには、以下の要素を押さえることが重要です。

広告とLPの一貫性(メッセージマッチ)

まず大前提として、広告のキーワードや広告文で訴求した内容と、LPの内容が一致している必要があります。例えば、「初回限定50%OFF」という広告をクリックしたのに、LPにその記載がどこにもなければ、ユーザーは「騙された」と感じて即座にページを閉じてしまいます。広告で提示したベネフィットやオファーは、LPの最も目立つ場所(ファーストビュー)に明確に記載しましょう。

魅力的なファーストビュー

ファーストビューとは、ユーザーがページにアクセスして最初に目に入る画面領域のことです。ユーザーの多くは、このファーストビューを3秒ほどで見て、続きを読むか離脱するかを判断すると言われています。ここでユーザーの心を掴むことが極めて重要です。

  • キャッチコピー:誰のための、どのような悩みを解決するサービスなのかを瞬時に伝えます。
  • メインビジュアル:サービスを利用した後の明るい未来がイメージできるような、魅力的な画像や動画を配置します。
  • CTA(Call To Action):「今すぐ無料で試す」「資料請求はこちら」といった、ユーザーに行動を促すボタンを目立つ色やデザインで配置します。
ユーザーの不安を解消するボディコンテンツ

ファーストビューで興味を持ったユーザーの背中を押すために、説得力のあるコンテンツを用意します。

  • 共感と問題提起:ユーザーが抱える悩みや課題を具体的に示し、「そうそう、それで困っているんだ」という共感を生み出します。
  • 解決策の提示とベネフィット:自社のサービスがその悩みをどのように解決できるのか、そしてその結果ユーザーがどのような価値(ベネフィット)を得られるのかを具体的に伝えます。
  • 社会的証明:「お客様の声」「導入事例」「メディア掲載実績」など、第三者からの評価を示すことで、信頼性を高めます。
  • よくある質問(FAQ):ユーザーが抱くであろう疑問や不安に先回りして回答し、購入へのハードルを下げます。

ストレスのない入力フォーム(EFO)

最終的なコンバージョン地点である申し込みフォームや問い合わせフォームは、できるだけシンプルにすることが鉄則です。入力項目が多すぎたり、分かりにくかったりすると、ユーザーは面倒に感じて途中で離脱してしまいます。入力項目は必要最小限に絞り、必須項目を分かりやすく示すなどの最適化(EFO: Entry Form Optimization)を行いましょう。

これらの要素を踏まえ、定期的にABテストなどを実施してLPを改善し続けることが、リスティング広告の成果を最大化させるための最後の重要なピースとなります。

ランディングページ(LP)とは? 知っておきたい基礎知識と結果が出るランディングページの作り方

まとめ

本記事ではリスティング広告の仕組みから実践的な運用テクニックまで網羅的に解説しました。リスティング広告は、検索という能動的な行動を起こした購買意欲の高いユーザーに直接アプローチできるため、即効性のある集客手法として非常に有効です。少額予算から始められ費用対効果を可視化しやすい点も大きなメリットです。Google広告などを活用し、適切なキーワード選定や改善を続ければ、事業成長の強力な武器となります。ぜひ本記事を参考に、リスティング広告の導入を検討してみてください。

BPXでは、広告主の方に向けて、広告運用の実務やサポート、ASP業務フォローや情報補完などのサービスを提供しています。気になった方はぜひお問い合わせください。


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都留 樹生

このブログの監修者

都留 樹生

株式会社BPX 取締役COO 学生時代の友人である社長に拾われ創業時にFREEDiVEにジョイン。 成功報酬(アフィリエイト)領域の広告に対する知見と戦略設計で、200社以上の運用実績を持ち、BPXを売上0から7億円の企業に。 個人でも8年間PPC系のアフィリエイターとして活動している。

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